どうなる!「カシオペア」! [北海道旅行]
上野発札幌着の「カシオペア」が上野駅13番ホームから出発するところです。
いや、正確には発車15分位前です(笑)
そしてこれが、我々夫婦が寝台特急で行く初夏の北海道のたぶんラストです。
もう幾度となく旅立ちの高揚した気分を味わった、
いつもの上野駅13番ホームへとつながる改札です。
行き止まりのこのホームから北へ向かう寝台列車は鉄ヲタでなくとも、
独特の雰囲気に思わず涙ぐむほどの哀愁に溢れていますね(笑)
思えば10年前、結婚25年の記念に長年の夢だった「カシオペア」で行った北海道・・・
以来その未知の大地に魅せられて、毎年初夏のいい季節に通い続けています。
今回、同じカラーに塗られた専用牽引機EF510-509に当たったのもラッキーでしたね。
さて、ダイニングカーの業務用ドアからは食材や飲み物、
数々の車内販売の商品などが積み込まれています。
これから始まる長い旅ですが手馴れたコンパクトなパッキングですね。
車内に入り通路をを辿って今日の我々の“部屋”、
二階の23号室へ狭い階段を上がります。
ドアを開けるとこんな感じの部屋です。
二人なら十分な広さでしょ。
もちろん、トイレと洗面所も中にあります。
ブラインドを上げると大きな窓が現れます。
ここから移り変わる様々な景色を眺めるのもこの旅の楽しさのひとつです。
定刻に発車したカシオペアは、そろそろ帰宅ラッシュの始まる通勤電車とは離れた、
貨物線をノンストップで静々と進みます。
最初の停車駅「大宮」ではここから乗る乗客もいるので通路が騒がしいです。
二階は結構高さがあるのでホームから車内は見えません。
発車後しばらくするとアテンダントがウェルカムドリンクを持ってきてくれます。
この景色は、窓に飲みかけのペットボトルや時計などが並んでいるので、
我々はもうすでに部屋着に着替えてリラックスモードに入ってますね(笑)
一階はホームの足元の近くに窓が位置するので、
ブラインドを下ろしておかないと室内までよく見えてしまいます(笑)
ゆえに、ダラダラ過ごすのが好きな我々は二階部屋に拘ります。
宇都宮が近づくと我が家のミニ達の主治医クーパーガレージが見えてきます。
相変わらず順番待ちで込み合っていますが、
ローダー上のいい感じの旧いメルセデスはこれから仕上げるそうです(確認済み)。
流れる車窓からの景色も次第に緑が多くなり、
車窓に大きく広がる関東平野は生憎の雨模様で白く煙っていたのが残念でしたねぇ 。
少し退屈になってきたので、先頭のラウンジカーまで遊びに行きます。
通路はそれなりに揺れますが、
慣れてくると「乗り鉄」のアドレナリンが湧きます(笑)
雨は本降りになったようで大きな展望窓を激しくたたいています。
ラウンジカーにある売店を物色します。
特に目新しいものはありませんでしたが・・・
ふと思い出して依然買ったものと同じものを買いました。
DD51はやっぱり重連でしょう(笑)
天気のせいか「郡山」はもうすっかり暗くなっていました。
通過する駅や街の灯りをぼんやり眺めていると、
窓に灯りの付いている家には家族が住み、
そしてそれぞれの人生があるのだなと・・・
柄にも無く、残りあと少しの己の生き様などを考えてしまいます(笑)
仙台はまだ耐震工事の真っ最中です。
ご存知のように来年の春にはいよいよ新幹線が津軽海峡を渡ります。
それに伴う工事や試運転で、夜間のトンネルは通過が難しい状態です。
今回も青森で2時間以上も足止めを食う破目になりました。
すでに陽が昇る時間にやっと海底に続くトンネルに列車は入りました。
さて、トンネルの中はどうなっているのか、ラウンジカーに直行です(笑)
おぉっと、すでに満員の状態です。
物見胡散や“俄か撮り鉄”を掻き分けて展望席にたどり着くと、
ガラス越しに3本のレールがな~んとなく見えますか?
そう、そのハ・・・じゃない同年代と思われる紳士の頭越しのあたりです(笑)
通過するときにチラッと見えた海底駅はすでにホームが無くなっていましたね。
標準軌のための第三のレールを敷くのに邪魔になるためと聞きました。
トンネルを抜けるともう景色は一変して、
すでに新幹線の施設が目立つようになります。
「木古内」は元はローカル線のひなびた駅でしたが、
在来線と新幹線が分離するためのたくさんの線路が敷かれて、
その脇に新しく出来た取り付け線を、
青函トンネル専用のED79に牽かれた「カシオペア」が進みます。
新幹線が開通するとトンネル内の電圧は25000Vに昇圧されます。
したがって現在20000Vで走っている在来線の機関車は使えなくなるのです。
そうです、すでに廃止になった「トワイライトエクスプレス」や、
今は臨時列車として走っている「北斗星」も8月いっぱいで廃止になります。
現在のところJR東日本そしてJR北海道からも2種類の電圧に対応できる、
新しい旅客列車用の機関車の製造はアナウンスされていません。
したがって悲しいかな来春の新幹線開通を待たずに、
青函トンネルを抜けて朝を北海道で迎える寝台列車はすべて無くなるのです。
函館までのラウンジカーは後ろ向きながら通過する景色を展望できるので、
いつまでも記憶に留めて置こうといつもより長い時間を過ごしました(泣)
そんな感傷に浸るまもなく「函館」に到着です。
ここからは、大好きなDD51の重連にバトンタッチです。
先頭のヘッドマークを撮りたかったのですが、
なぜかDD51がホームをはみ出しています。
これで精一杯?(笑)
車内に戻る際に車掌さんに「今までは先頭の写真取れましたよねぇ?」って聞いたら。
「あっ、停車位置が良くなかったんですね」だって(笑)
今回は札幌に着くのがAM11:15と今までで最も遅くて、
結局「カシオペア」車内に19時間も乗っていたことになって・・・
「乗り鉄」としてはとても幸せな時間でしたが、後の予定がきつかったですね(笑)
こんな明るい時間帯に「カシオペア」が走ることはあまり無いので、
線路脇の僅かなスペースにも、あちこちでカメラの砲列が見られました。
先ほどの“アピール”が効いたのか、
札幌では普段は撮ることが出来ない先頭写真が・・・(笑)
ホーム有効長は大丈夫だったのかしら。
我々が19時間過ごした8号車23号室。
窓辺に栄養ドリンクのビンを目印に置いて来ました(笑)
延べ13回に及ぶ寝台列車による北海道の旅も、
現状では今回が最後になりそうです。
もちろん新幹線と飛行機を組み合わせた来年のプランはもう始動しています(笑)
JR東日本が’17年デビューを目指しているクルーズトレイン「四季島」が、
果たして青函トンネルを越えられるのか?
そうなれば当然建造費が嵩む分、料金に跳ね返ってくるのですが・・・
すでに運行されているJR九州の「ななつ星」の例をみるまでもなく、
もう我々にとっては非現実的なほど高価な旅です。
今までのようなちょっとだけ贅沢な個室寝台特急の旅はもう終わるのでしょうか?
最期の日は上野まで見送りに行こうと思っています。
2015-07-18 18:41
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19時間ですか、贅沢な時間でしたね、羨ましい限りです。
by conta (2015-07-18 23:55)
毎夏楽しみに読ませてもらっている列車旅。
もしかして今回を限りに読めなくなるのかと心配していましたが・・・
> 新幹線と飛行機を組み合わせた来年のプランはもう始動
安心♪安心♪
上方の者にとっては、一層参考になる旅程になりそうですね。
これからも奥方と毎年お楽しみください(我々の為にも)
by ねこざかな (2015-07-19 02:36)
contaさん
コメントありがとうございます。
毎年、工事が進むたびに青森駅の停車時間が長くなり、
今回は過去最長の停車時間でした。
まぁ、ぐっすり寝れるのはうれしいですが・・・(笑)
現地滞在時間がどんどん短くなります。
ちなみに帰りの飛行機は1時間半ほどでした(笑)
by 1275GT (2015-07-20 16:43)
ねこざかなさん
コメントありがとうございます。
ほとんど同じ内容を毎年読んでいただき恐縮です(笑)
まるで観光地を避けて通るような旅行記なので、
解読にはかなりの熟練を要します。
旅の後半もかなりマニアックです・・・スミマセン(笑)
by 1275GT (2015-07-20 16:57)
ベアトラックさん
いつもnice!をありがとうございます。
年に1回しか利用しない乗客が言うのもなんですが、
北海道への寝台列車は遺して欲しいです。
by 1275GT (2015-07-20 17:06)
いっぷくさん
いつもnice!をありがとうございます。
未知の世界への旅行記、毎回楽しませて頂いています。
by 1275GT (2015-07-20 17:09)