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1275GTの歴史 [MINI]

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ミニ一族の中で唯一GTを名乗るクラブマン1275GT。
紆余曲折を経て我が家に来た謎だらけの個体をはじめ、
そんな偶然の出会いの話です。


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久しぶりにイベントでお会いしたMさんから、
「面白いGTを手に入れたので見ませんか?」と・・・
最近入手したという極初期型(’69年型?)の1275GTです。
それもオリジナルの状態をよく残した貴重な個体です。
さすがにボンネットはくすんでいますが、塗装もオリジナルだそうです!

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Mさんといえば最近まで超本気なラリー仕様の1275GTを所有し(笑)
ご自身も海外のクラシックラリーに参戦するほどの“乗り手”としても有名ですが。
そのラリーカーをどうしてもという方に譲って、新たに手に入れたのが上記のGTです。

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知り合ったころのMさんは、うちのGTと同じカラーのクラブマンエステートに乗っていて、
古いバイクや自転車、ギターなど全方位に知識が豊富なのには驚きました(笑)

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そんなMさんが見つけたGTですから、素晴らしい未再生原型車でした。
エンジンは多少“元気”なカムが入っているそうですが、
きちんと付いているパーツはオリジナルが全部そろって元の位置にあります。
実はこれが一番大事だったりするんですよ(笑)

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ボディサイドに付くラインや1275GTのロゴはデカールが標準だと思っていましたが、
どうやら最初期型は塗装らしいというのも驚きました。

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オリジナルのステアリングとセンターモチーフの状態もいいです。
3連メーターは再ブレイクしたミニに標準装備されたものと同じですが、
最初はクラブマンに使われていたものなんです。
ダッシュボードの左側にある“ラリコン”にMさんの気合いが出ていますね(笑)
このステアリングはウチにもありますが、センターモチーフが少し違います。
外周が少し茶色っぽいのがわかるでしょうか?

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年式による違いなのか、経年変化なのかわかりませんが、
ウチのに付いているセンターモチーフは最初からシルバーの状態でした。
ミニに乗っている方ならご存知のようにこのステアリングの中心は、
ホーンボタンではなく単なる“フタ”です(笑)

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で、これは主治医に頂いたものですが、周りがゴールドになっています。
時間がたつと色が変わったり剥げ落ちたりするのかもしれませんね。

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去年、旭川の46さんのところでせしめてきた“フタ”はこんな使い方をしています(笑)

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さて話をMさんのGTに戻すと、このシートがオリジナルのままだと言われたら、
このミニはほとんど走らずにいったいどこで寝ていたのでしょうか?(笑)
ボディもしっかりしているということなので、
あまり乗らずに大事にされていたのかもしれませんね。

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大きく分けてウチのと同じ前期型のGT同士でも、例えばハイドロとラバーコーン、
ミッションも、リモートとツーロッド等々少しずつコストダウンされているのがわかります。
次第に「イギリス病」にかかる前の英国自動車産業は、
旧いモノの方が明らかに手間がかかっていますね。

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こういうダクトひとつとってもオリジナルのスミス製が、
きれいに残っているのはうらやましいですね。

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写真を撮り忘れましたが、トランクリッドの内側にも、
プレスしたスチールのカバーがありました。
このGTは年式から言ってもちろん最近英国から上陸したものですが、
ミニ一族の中では不人気と言われた四角いフロントマスクのミニでも、
まだ“最初”のが現存するのは驚きでした。
いいものを見せていただきました(笑)

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この後、ミニクラブマンはオーストラリアなど英国外の国々で、
それぞれ独自の進化を遂げます。
特にドアに三角窓とアウタードアヒンジの付いた、
1275LSや1275SSなど興味深いクラブマンもあるのですが、
本国の1275GTはクラブマン一族の中でも早い時期に生産が終わっています。

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我が家の’73年型がどこからやってきたのかは以前にも書きましたが
分かっている事だけでも簡単におさらいを・・・(笑)
このシャシーとエンジンブロックに刻んである職権打刻のマーク?が、
何を意味するのかが中々分かりませんでした。

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車検証の沖縄登録の記載をみて初めて“沖”の氵(サンズイ)が無いのだと気づきました。
ではなぜ沖縄で新規登録をしなければいけなかったのか。

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当時、排ガス対策が’73年からより厳しくなるという事情があり、
絶対少数の輸入車にはかなり厳しい状態だったと思われます。
しかし米国から返還されたばかりの沖縄には暫定法という少しの猶予がありました。
そこに目を付けたキャピタル企業(当時のディーラー)は25台のミニを、
エンジンに手を加えずにそのままの状態で輸入できたのです。
その時の輸入商社が当時宜野湾市にあったカールオリエント・トレーディングでした。

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25台の内訳は20台の99X(ミニ1000)とクーパーS無き後の、
スポーツモデルとして1275GTが5台だったそうです。
当時のカタログにもミニ1000と1275GTが載っていますね。

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キャピタル企業が輸入したミニの総台数を苦労の末まとめられた方の資料によると、
この25台は新古車扱いになっていますね。
一度登録しているので新古車になるのでしょうが、
こうして数字に残して頂くと経緯もよくわかり、そのご苦労に大変感謝いたします。
ちなみに沖縄から横浜までの運賃は当時のお金で1台4万円くらいかかったそうです。

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オーナーもまだ行ったこともない英国で生まれ、
長旅の末、自分もまだ旅したこともない沖縄に上陸し、
三半規管の弱いワタシの苦手な船にまた揺られ、
やっとたどり着いた東京、そこから数人の手を経て自分の元に・・・

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幸運にもクーパーガレージの社長と前オーナーのご協力で、
ウチのGTの貴重な過去の資料も入手することができました。
そのいきさつは以前のブログにも書いています。

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最近、どうもトップの写真がマニアック過ぎてウケが悪いのか、
ツカミ(アクセス数)が今ひとつだったので・・・
秘蔵の古いギターを絡ませています(笑)
今回のはオレンジのきれいな’65年のリッケン900です。

後の手段としてはウケ狙いでトップの画像を、
可愛い子猫か、美少女の写真にするしか手はありません(笑)

我が家のGTは本家「THE・BEATLES世代のMINIライフ」に、
http://1275gt.blog.so-net.ne.jp/
長年の記録とともに日記を残してあります。
よろしかったら覗いて見てください(笑)
過去ログにもコメントよろしくお願いいたします。
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コメント 4

Teru

正直、最初はよくわからなかったのですが......
(最初と言っても、20年以上も前の話になってしまいました)
クラブマンは味があっていいですねぇ♪
最近?イベントに行ってもMiniをじっくり見ることもなくなり、興味が少し減少しているというより、なんか入り込めない?周りにいなくなってしまって・・・
いつか直接じっくりと拝見させていただきたいと思いながら、なかなかそちらまで足を伸ばす機会がありそうにありません。
by Teru (2015-11-11 07:34) 

1275GT

Teruさん

いつもコメントありがとうございます。
ウインドウ越しに見えるフラットなボンネットも新鮮ですね(笑)
あちこち手を入れてあるので、かなり乗りづらいですが、
なにも考えられずに走らせるのはいいですね(笑)

自分もさすがにミニでの長距離ドライブは辛くなりました、
それに某独車にも全然乗れていませんから・・・
車検のたびに走行距離をディーラーで驚かれます(笑)
by 1275GT (2015-11-12 21:11) 

conta

1275GT・・・・とても奥が深いですね、 50年も前の車がオリジナルというのもスゴイことだと思います。
by conta (2015-11-15 19:56) 

1275GT

contaさん

いつもコメントありがとうございます。
少し前までは、古いクルマも大事に乗って、
自分が乗れなくなったら“次”の方に譲るもんだと思っていましたが、
今頃はそんな奇特なヒトはいないことに気付きました(笑)
まぁ、楽しんだもんが勝ちですからねぇ(爆)
by 1275GT (2015-11-19 22:43) 

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