ムッシュ 逝く [MINI]
我々は人間という生物である以上、やがて寿命がやってきます。
すでに自分に残された距離が見えるような歳になった時の、
好きだったミュージシャンの死は、
「ああ、もうそんな時間になったのか」・・・と。
ミニ好きな人達にとってカントリーマンをさりげなく乗りこなす、
このムッシュの写真はとても印象深いですね。
さらに驚くのはこれが40数年前の出来事だということです。
元々、カメラマンの立木義浩氏の愛車だったカントリーマンを、
一目見て気に入ってしまったムッシュが粘り強く口説いて、
1970年頃譲って貰ったそうです。
写真のように元はオールドイングリッシュホワイトでした。
ベスト盤にもこの白いカントリーマンに乗る写真が使われていますね。
しかし、実は1964年にムッシュはキャピタルで、
850㏄のオースチンセブンを購入し、
それが白なので、もしかしたらその写真の可能性もあります。
ただそれは1年乗っただけでほどなく、
いとこで歌手の森山良子さんに譲ったそうです。
このモデルはデインキーのトラベラーと、
最近リメイクされたATLASの復刻版?です。
実車はモーリスとオースチンのバッジエンジニアリングです。
なのでグリルやエンブレム以外はほぼ同じです。
こちらはオースチン7のモデルです。
色は違いますがこのコーギーの味が何とも言えずに好きですね。
閑話休題、手に入れてからはバンプラのチョコレート色に全塗装し、
内装は高島屋の家具売り場で!ボルドー色の革で張り替えて、
傷んだ木枠は”霊柩車”を造る工場に持って行ったそうです。
リヤのスペースにアンプやギターなどを積んで、
何処へ行くにもこのカントリーマンという位のお気に入りでしたが、
やがて走行距離が延びるとリヤが下がるなど痛みが目立つようになり、
それでも1976年位までは活躍したそうです。
このカントリーマンも1980年頃、いとこの森山良子さんに乞われて譲り、
その時にかなり大掛かりな整備を施して甦り、その後娘さんが乗られて、
さらにご子息の森山直太朗さんのもとへ行ったそうです。
と、こんなに詳しい情報は”膨大な”書庫の中で見つけた、
古いCG誌からの丸写しです。
インタビュー形式の記事ですがすべてを詳しく覚えておられるのは、
やっぱり凄い”こだわり”のひとですね。
この素晴らしいストーリーを持つMkⅡカントリーマンは今も健在です。
現オーナーの方はイベントなどにも参加されているみたいです。
実物を見てみたいですねぇ。
その後も、元ツイッギー所有のミニ1000を手に入れたものの、
クーラーやパワーウインドウまで付いていて、
電気系統のトラブルに悩まされたりしながらも、
手放したのは惜しかったと言っています。
そこまでムッシュがミニに傾倒したのは、
ビートルズのメンバーが皆ミニに乗っていたことも大きかったようで、
さらにTレックスのマーク・ボランが乗っていたミニ(1275GT)の、
事故で亡くなったことも、頭の片隅にあったと話しています。
’60年代の英国を愛し、ミニをこよなく愛した素敵なミュージシャン。
”ムッシュ”ことかまやつひろし氏のご冥福をお祈りします。
2017-03-20 13:07
nice!(4)
コメント(2)
トラックバック(0)
年代的に近い方が亡くなると寂しいものですね。
森山良子さんが某テレビ番組でカントリーマンの木枠にキノコが生えたと話をされていました。うちのは京商の1/18です。
by conta (2017-03-20 21:45)
contaさん
いつもコメントありがとうございます。
ムッシュはスパイダースのころから作る楽曲や、
ギターの独特な奏法に憧れました。
ミニ仲間の間でも人気のこのカントリーマンと、
最近見つかった元小林彰太郎さんのトラベラーは、
大事に乗り継いでもらいたいですね。
by 1275GT (2017-03-21 21:53)